2012年10月31日水曜日

秋深し

すべての収穫を終えて綺麗にかたずけられた山王寺の棚田です。画面中央の稲はでには
掛けられた稲束が多少取り残されています。遠くに幾重にも重なって霞む山並みが、静ま
りかえった風景に趣を与えています。巡る季節を想う棚田の風景です。


ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO400


2012年10月30日火曜日

古木

形の良い柿の古木が収穫を終えた田んぼの脇にぽつんと一本、幹には蔦が絡みついてい
ます。柿の実がたくさん付いているようですが、紅葉が盛りの葉に隠れて殆ど見えません。
奥に見えている桜の紅葉はとても鮮やかです。今年の秋色は楽しめそうです。



ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO400


2012年10月29日月曜日

吹屋にて

べんがら格子で有名な岡山県の吹屋です。銅山で栄え、後にべんがらの産地として発展し、
現在は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。里山の特徴を残した美しい
町並みで、施設も適度に分散して待ち時間がなく、ゆったり散策できます。表に郵便配達のバ
イクが止まっていました。何気なく見ていると格子戸をあけて局の方が出てこられました。この
町に流れるゆったりした時間を象徴しているようで想わずシャッターを切りました。

コンタックスN1 24-85mm f11 オート フジクロームベルビア

2012年10月28日日曜日

いちょう

薄靄の中に朝の光を浴びて浮き上がる銀杏の色だけがそこに在るような
印象でした。擬宝珠のようなその形が寺の境内にすっくと立っている様子
の妙は不思議でさえあります。擬宝珠の起源は宝珠の形を模した物と云
うのが一般的で、寺の装飾には欠かせないものです。


ニコンF6 80-400mm f5.6 オート フジクロームベルビア


2012年10月27日土曜日

エノコログサ(狗尾草)

水辺でエノコログサを見付けました。夕日を受けて赤く光る姿がとても美しいので一本だけを
クローズアップしてみました。エノコ(狗)とは子犬のことで、ロは尾のなまったもの、柔らかく
風になびく花穂を子犬の尾に見立てての名前だそうです。


ニコンF6 マイクロニッコール105mm f2.8 オート フジクロームベルビア

2012年10月26日金曜日

郷の煙

陽が傾いて夕暮れが近くなってきた里に野焼きの煙が漂っています。どこか懐かしく、
なんとなくもの悲しく想えてしまう、そんな風景です。私の中に在る郷愁は多分こんな
風景なのでしょう。山に抱かれた里。私の山好きの原点かもしれません。


ニコンF6 80-400mm f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年10月25日木曜日

シロオニタケ

真山に登る途中で見付けました。シロオニタケと云うそうです。地面からにょっきり
出ている白いいがぐり坊主のような姿はとても愛らしい。大きくなるとすぐに壊れて
しまい見掛けによらず脆いキノコです。いかにも毒がありそうですが、毒は検出され
てはいないそうです。


ニコンD800 24-120mm f5.6 オート ISO400

2012年10月24日水曜日

隠れ滝

山道を歩いていると時々あるのですが、滝の音がするのにどこに在るのか
解らない事があります。沢を挟んだ対岸に在ったこの滝は、色付き始めた
葉の裏に隠れる様に流れ落ちていました。山の深さを観る想いでした。


ニコンF6 80-400mm f8 オート フジクロームベルビア

2012年10月23日火曜日

今年は桜の葉の紅葉がきれいです。ここ数年間は紅葉する前に散ってしま
っていたり、枯れてしまったりと鮮やかな紅葉が観られませんでしたが、今
年は良さそうです。面白い形の雲が出ていたので遊んでみました。


ニコンD800 24-120mm f11 オート ISO400

2012年10月22日月曜日

陽射し優しく

すすきの穂が柔らかい陽射しに浮かび上がっています。すすきに埋もれるようにひっそりと咲
くまつむしそうは、柔らかな陽射しをまとって私に微笑みかけているようでした。これから錦秋
を迎える大山は人影もまばらで、時間がゆったりと流れています。


ニコンD800 24-120mm f11 オート ISO400

2012年10月21日日曜日

赤い岩

渓流を歩いていた時、見付けた赤い岩です。場所は忘れました。流れ落ちる水が岩を削って
いて鮮やかな色をみせています。鮮やかな赤い色は酸化鉄に由来するらしいのですが、触っ
てみると非常に硬い。渓流沿いの山道を歩いていて、こんな鮮やかな色に出合うのも楽しい。


コンタックスN1 24-85mm f8 オート フジクロームベルビア

2012年10月20日土曜日

天高く

ジャージー牧場の牛たちです。気持ちよく晴れた空の下、牛たちが一列になって整然と
歩いています。それまでは一固まりになって草を食んでいたのですが、何かの合図があ
ったのでしょう、行き先には餌台がありました。牛たちにとっても草よりは人のくれる餌の
方がうまいのでしょう。


ニコンD800 80-400mm f8 オート ISO400

2012年10月19日金曜日

秋彩


蒜山高原で見つけた秋の彩りです。紅葉にはまだ早いと想いながら立ち寄った蒜山でした。
やはり山々には秋の彩りが乏しく、仕方がないので牛でも観て帰ろうとジャージー牧場に行く
と西の方角に一群の秋の彩りが見えました。探し当てたのが蒜山キャンプ場のこの光景です。
6月にはアヤメも咲くなかなかの名所の様です。


ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO400



2012年10月18日木曜日

秋の記憶

彼岸花の奥には稲はでのシルエットが見えています。空にはうろこ雲がかかり、
風景が秋を語っています。遠い記憶の秋はいつもこんな風景だったような気がし
ます。


コンタックスRSTⅢ 25mm f16 オート フジクロームベルビア

2012年10月17日水曜日

月見草

晩夏の花月見草を10月半ばの大山で見掛けました。太宰治が富士には月見草がよく似合
うと「富岳百景」に記したのはつとに有名ですが、大山にもよく似合っています。それにしても
季節外れです。9月の暑さがしばらく続いたせいでしょうが、おかげで予想外の風景に出合う
事が出来ました。


ニコンD800 24-120mm f5.6 オート ISO400

2012年10月16日火曜日

吾亦紅

 余りにも地味な花です。バラ科の植物でありながら花びららしいものも見当たらず、葉も目立
たないので、うっかりすると何かの花の跡かと想ってしまう。それで「吾亦紅(われもこう)」と名
のりを上げなければならなかったので、この名が付いたと云われています。私は何故かこの花
が好きで見付けた時は、思わず微笑んでしまいます。バックのボケはマツムシソウです。


ニコンD800 24-120mm f4 オート ISO400

2012年10月15日月曜日

馬肥ゆる

 人類と馬とのかかわりは約60万年前の旧石器時代に始まったと云われています。もともと
寒冷地に適した馬は冬を迎える前に、皮下脂肪を蓄えて毛並みが艶やかになって来ます。昔
から生活の一部になっていた馬の健康は人々にとって何物にも代えがたいものでした。中国
の故事に由来する「天高馬肥(てんこうばひ)」が「天高く」「馬肥ゆる」となり、それぞれが時候
と動物の季語となったそうです。隠岐の馬はいつでも私の心を和ませてくれます。


コンタックスN1 24-85mm f8 オート フジクロームベルビア


2012年10月14日日曜日

里の秋

山王寺の秋です。道の脇に立つ古い石塔は、郷の歴史を語ってくれている様な気がします。
この道は古くから在るものなのでしょう。緩やかに登っていくこのような道を観る時、私はいつ
も、道を歩く自身の後ろ姿を想像してしまいます。来た道なのか、行く道なのか。



ニコンD700 24-120mm f8 オート ISO800


2012年10月13日土曜日

はで木小屋

南部町の立派なはで木小屋です。骨組みは鉄骨を用いていて、頑丈な構造になっている
ようです。積まれた竹はずいぶん長い間使われていない様で、朽ちかけています。本来な
らこの時季、はで木小屋は空っぽになっているはずです。今、使用しているのは吊るした
玉ねぎとかぼちゃだけの様です。彼岸花がポツンと咲いていました。


ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO400

2012年10月12日金曜日

蕎麦畑と大山

蕎麦の畑に光が射してきました。柔らかな光はそばの花に優しく微笑みかけているようで
す。空を観れば大きな翼のような雲が大山に。翼を得た大山が空に向かって飛翔していく
ような、そんな想像をしてしまうような長閑な大山山麓の一日でした。


ニコンF6 24-120mm f8 オート フジクロームベルビア

2012年10月11日木曜日

収穫を終えて

収穫が終わってきれいに片付けられた水田に、焚き火の煙が立ち昇っていました。煙の向こ
うに霞む家並みには収穫を終えた安堵感が漂っている様でした。この辺りの農家は殆どが兼
業でしょうから、そんな事はないでしょうが、専業であれば休息を兼ねて「温泉旅行でも」と想
うところではないでしょうか。


ニコンF6 24-120mm f5.6 オート フジクロームベルビア


2012年10月10日水曜日

冬鳥来る

今年もキンクロハジロの群れがすでに飛来しているようです。中海越しに見える大山は
朝焼けの色をまとっていました。キンクロハジロは中海、宍道湖ではお馴染みの鳥で、
いつでも居る様なそんな気がします。現に真夏でも観た記憶があります。雑食でシジミ
などもよく食べるようです。



ニコンF6 80-400mm f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年10月9日火曜日

夕陽に染まって

すすきが夕日に染まってそろそろ夕暮れ、遠くの方でお母さんの呼ぶ声が聞こえています。
すすきの穂を摘んだお姉ちゃんが、弟に「早く」と声をかけて走りだしました。遠い日の記憶
が蘇る様なそんなひと時でした。



コンタックスN1 24-85mm f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年10月8日月曜日

しだ

今日、真山に登りました。出合ったのはウラジロの群落、ウラジロは日本の代表的なシダ
で単にしだと云えばこれを指す地方が多く馴染み深い。季語は新年、正月の注連縄飾り
に用いられる縁起の良い植物です。群落を観ていると太古の植物を連想させて、原始的な
強い生命力を感じさせてくれます。


ニコンD800 24-120mm f5.6 オート ISO400

2012年10月7日日曜日

枡水高原のすすき

枡水高原のすすきも好きな風景の一つです。撮影したのは11月半ばですので穂が膨らんで
まもなく風に散る時を迎えています。すすきが最も白く輝く時期です。山腹は紅葉の盛りを迎
え、空には秋の雲。こんな日は一日中寝っ転がっていたい気分ですが、ちょっと寒い。


ニコンD700 18-35mm f11 オート ISO800

2012年10月6日土曜日

干し大根

茅葺屋根と干し大根。今ではほとんど見る事の出来ない風景です。撮影したのは十数年前、
良く見ると萱がかなり傷んでいます。維持する事は非常に難しい事はよく解りますが、失くして
しまうのはとても残念です。茅葺屋根と土壁は湿度の高い日本の気候が生み出した、最高の
建築物でしょう。普通に維持していける文化と環境が失われていくことが、時代の流れでかた
ずけられてしまう。進歩とは何なのでしょう。


コンタックスAX プラナー85mm f11 オート フジクロームベルビア

2012年10月5日金曜日

すすき

阿蘇外輪山のすすきです。視界一杯に拡がる様は見事です。すすきの穂が風にそよぐ様子
を観ていると、吹き渡る風の姿が見えているような気持ちになります。すすきの別名は沢山
ある様ですが穂が獣の尾に似ている事からくる、尾花がその筆頭でしょう。漢名の薄、芒は
草むらの意で広義には叢生する草の総称だそうです。中空の茎には神霊が宿ると云われて
います。十五夜に白玉の団子と共にすすきの穂が欠かせないのはそのためでしょう。


ニコンD700 80-400mm f8 オート ISO800

2012年10月4日木曜日

空に舞う

青空に浮かぶ白い雲と彼岸花は私の好きな好きな風景の一つです。空にはトンビが気持ち
よさそうに弧を描いて、詩の一つも物にしてみろと誘っているようです。その才能のかけらもな
い私は、せめて初秋のこの爽やかな雰囲気の中に身を置くだけです。


ニコンD800 24-120mm f11 オート ISO400

2012年10月3日水曜日

消えゆく道

鳥取県南部町の一画です。殆ど使用されていない農道の脇に朽ちかけて草を纏った
はで木小屋がありました。遠くの方に集落と黄色く熟して刈り取るばかりの水田が見
えます。彼岸花だけがいつものように燃えるような赤い姿を見せていました。


ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO400

2012年10月2日火曜日

秋桜

コスモスはメキシコ原産で日本には江戸末期に渡来したと云われています。比較的、歴史
の浅い草花ですが秋を彩る代表的な花の一つになっています。属名cosmos がそのまま
名前になっていてcosmos はギリシャ語で「飾り、美麗」を意味しています。コスモスの明
るくて爽やかな印象が多くの人に愛されているのでしょう。竹の先端だけが上からの陽射し
で浮き上がリ、不思議な雰囲気になりました。


ニコンF6 80-400mm f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年10月1日月曜日

蕎麦の中に

白いソバの花の中にピンクのコスモスの花が浮いていました。どこからか、種が飛んで来た
のでしょう。闖入者のコスモスが「私を見て」と言っているようでした。気が付けばすっかり秋、
白とピンクのコントラストが目に優しい秋をみせてくれました。



ニコンD700 24-120mm f11 オート ISO800